介護職 派遣切り
介護職でも派遣切りはあります。
ただ、派遣切りと言っても契約期間の満了であることが多いです。
派遣切りとは2008年の金融危機が発端で生まれた言葉です。派遣切りについてWikipediaで調べてみると2つの意味がありました。
- 派遣先事業所(介護施設)で派遣契約を打ち切ること。
- 派遣契約の解約に伴い解雇、もしくは雇い止めにあうこと(更新拒否)。
リーマンショックを経験している方は前者の派遣契約の打ち切りによる失業をイメージされるかもしれません。当時は製造派遣で大きく解雇が相次ぎました。
しかし、介護派遣においては派遣切りと言っても2ヶ月~3ヶ月の期間の満了を持って派遣契約を終了することが一般的です。
ただ、当時と異なるのは派遣切りにあっても介護業界は深刻な人手不足です。2025年には37.7万人の従業員が足りないと言われているくらいですから、次の派遣先は紹介してもらえます。この点は安心してくださいね。
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介護職の派遣切りの事例
介護派遣の派遣切り。
介護派遣で夜勤を主として遅番も数回ありの契約で働いていました。
昨日、契約を更新できない事を知らされショックを受けています。
派遣会社からは『法人さん側の問題で…◯◯さんのせいではないです。』と言われましたが
いくら法人側の問題でも必要とされていたら高い賃金を払ってでもいてほしいと思いますよね…
まさか介護で派遣切りされるとは…
私はどんだけ役立たずなんだとショックを隠せません。
2018年2月
2018年と直近でも派遣切りはありました。
質問者の記載があるように施設側から契約を更新できないと知らされてからの派遣切りでした。
この方は、施設長や事務職の方から送別会で一緒に頑張りましょう! と言われていたのにどうして?とショックを受けていました。
介護職は派遣はたった数日で更新をしないと決められることがあります。
では、介護職の派遣を派遣切りの理由にはどんなものがあるか。詳しく解説します。
介護職の派遣切りの3つの理由
介護 派遣切りの3つの理由
- 人手が充足したから
- 派遣の上限期間を避けるため
- 施設に合わないから
介護職 派遣切りの理由1:人手が充足したから
介護職の派遣切りに一番多い理由は人手が充足です。
というのも介護業界の派遣人手不足から派遣を活用しているからです。
介護業界では、需要と供給のバランスが崩れており、従業員が足りていません。厚生労働省の調査では以下のグラフのように介護職の従業員が大きく不足しています。
介護施設としては正社員として採用したいです。しかし、労働条件(夜勤の有無、給料体系、サービス残業等)を理由に応募すらなく、人材確保ができないことが介護施設の悩みでした。
そこで確保できないと介護施設の運営ができないため、高い手数料を支払ってでも働く手を確保しているのです。
派遣を活用とは別にリクルート活動を行なっており、パートや正社員と派遣社員が働く時間分だけ確保できれば、派遣を利用する理由がありません。
そのため、人手不足が解消されたタイミングで契約期間の満了で終了することが多いのです。
契約終了。つまり派遣切りという形になります。
介護 派遣切りの理由2:派遣の上限期間を避けるため
長期間働く方では、派遣の上限期間である3年を回避ために派遣切りします。
2015年10月に労働者派遣法が改定されました。2015年10月以降の契約から最長3年を縛りを設けました。
この改正は直接雇用を希望する派遣社員が正当な扱いを受けれるための制度として出来たものでした。
派遣先の選択肢は
- 派遣社員を直接雇用に切り替える(正社員、アルバイト、契約社員)
- 派遣期間を終了する
の2通りです。
具体例を挙げます。
- 夜勤専従の介護 派遣として施設で働き、3年付近で夜勤専従のアルバイト(直接雇用)への切り替えを打診。
- 雇用主が派遣会社から施設に変わるため、給料、福利厚生を確認。
- 納得ができれば合意し直接雇用に切り替え
納得できない場合は契約期間を終了。(派遣切り)
というようなイメージです。
介護業界は派遣先がいくつもあるため、雇用の安定性としては問題にはならないと思いますが、派遣では長期間同じ施設で働き続けられません。
期間による派遣切りは少数ではありますが、今後起きる可能性はあります。
介護 派遣切りの理由3:施設に合わないから
派遣先の施設と合わないためにおきる派遣契約打ち切りです。
介護施設では人柄やチームでの動きを重要視しているからです。
介護職の仕事は無資格でもできる食事、衣類の洗濯、部屋の清掃などの間接的な援助から入浴、排泄などの身体介助を行います。
しかし、一人でできるものではなく他の介護職員とのチームワークで動くことを求められます。
実際、介護施設で働く正社員は「介護の派遣社員は使えない」という経験もしています。
- 人材不足から介護派遣会社に依頼
- 派遣社員が来るがチームプレイができない
- フォローを入れることで二度手間になる
- 派遣会社へ派遣社員の交代の依頼
- 改善されないため、派遣費用だけかかり派遣中止へ
派遣先の施設では教育する義務が発生しており、派遣会社としても労働環境の整備、教育の依頼をしています。
周りを見て判断する能力や気遣いができない。教育しても事故が起きるリスクのあるスタッフであれば戦力外となり派遣会社に交代を求めたりします。(代わりがいない場合は派遣中止へ動きます)
働き手の問題ですから、この点は注意しておきたいポイントです。
介護職で派遣切りに合わないための心得
介護職で派遣切りに合わないための心得はプロ意識を持つことです。
無資格・未経験、有資格者であれ介護業界で働けばプロです。
介護業界では利用者の満足のために努力できることが大前提と言えます。
実際、介護施設へのアンケートでは採用する人材へ求められるスキルでの回答は「人柄」が圧倒的に多いです。
グラフを見てば分かるように「人柄」「コミュニケーション能力」の重要度が高いですよね。技術・資格の有無についてはほとんど求められていないのです。
派遣切りに合わないための心得1:社会人基礎力を意識しよう
「人柄」「コミュニケーション」と言っても具体的に何を求められるのかわからないと思います。
これから派遣で働く方には社会人経験がない人もいるかもしれません。
一つ指標として、経済産業省が掲げる社会人基礎力を意識してみてください。
全てを意識する必要がありませんが、社会人基礎力を意識して働く派遣社員であれば、求められる人材となりえます。
この社会人基礎力は職場や地域社会で多様な人々と仕事してくために必要な基礎的な力として定義されています。
まずは社会人として働きましょう。
派遣切りに合わないための心得2:より上級の介護資格を取ろう
介護派遣で働くなら介護福祉士までの資格を取りましょう。
介護派遣は無資格からでもお仕事ができます。施設側も求めているのは、技術よりも人柄であることは前述の通りです。
しかし、介護のお仕事は資格を持っていなければできないことも多いです。
一から丁寧に教えてくれる施設もありますが、やはり知識を持っており、「わかる」ことが重要です。
厚生労働省では介護職員資質向上促進事業として「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」を設けています。
「実際の現場で何ができるか」を「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の両面を評価します。
わかる(知識)
レベル | 「わかる(知識)」の評価 |
---|---|
レベル4 | 介護福祉士であること(国家試験合格)
※介護福祉士養成施設卒業者について、国家試験の義務付け前においては、 介護福祉士養成課程修了によりレベル4とする |
レベル3 | 介護福祉士養成課程又は実務者研修修了
※介護職員基礎研修修了でも可 |
レベル2 | レベル1と同様 |
レベル1 | 介護職員初任者研修修了
※ホームヘルパー2級研修又は1級研修修了も含む |
プロとして働くように努めれば、あなたが不当な派遣切りにあう可能性は低いでしょう。施設にとって重要な人材になれば良いのです。
コロナ渦の介護派遣の現状
介護職でも派遣切りはあるという話を紹介しましたが、仮に派遣切りされても派遣会社が次の派遣先を紹介してくれるので大丈夫です。
というのもコロナ禍で介護業界は深刻な人材不足が加速したからです
そもそも、介護施設が派遣スタッフを利用する理由は人材を補填するためです。介護施設の半数で人材不足を感じており、不足している理由の約90%が採用が困難であることを挙げられていました。
〜人材不足の深刻度は年々増加しており、未経験・無資格から採用するようになりました。
こういった背景から介護派遣を必要とする施設が増えており、希望の時間・休み、高時給、サービス残業がない状況で働けるメリットが増えてきました。
仮に派遣切りにあったとしても、翌日から働ける施設の求人を紹介してもらえます。
特に勤務態度がよく、介護職のスキル・資格取得に積極的であれば、派遣会社からの評価も高いですよね。より高い時給の派遣先を紹介してもらえる可能性があるのです。
派遣切りと聞くと怖いですが、介護職ではメリットが目立っていました。
介護現場は人材不足で派遣需要が高い
介護現場での職員の採用の変化についてアンケートが行われた資料によると、約26%が厳しくなったと答えています。
変化の理由は、活動自粛による採用活動が上手くできていないそうです。
また、外国人材の採用については、中止になった、延期になったで8割を占めていました。
介護現場の人材確保の現状をまとめると
- コロナ禍で採用活動が上手くできない
- 外国人介護人材の確保が中止・延期になった
- 離職者は減ってはいないが、所属する人員で持ち堪えている状況
- 介護人材の需要が増え一部人材紹介の手数料値上げがある
以上のことから、コロナ渦によって介護現場の人手不足は加速する現状から派遣需要があります。
介護派遣の求人は増えており、有効求人倍率は介護サービスは、4.0以上であることが多く全業種と比較して高い水準で推移してます。
よって、介護分野の人手不足の現状は深刻であり、売り手市場が続いています。
介護 派遣切りは怖くない
派遣切りと聞くとリーマンショック時の一方的な契約解除による雇い止めのイメージがあって怖いですよね。
でも、当時と比べると派遣社員の法律が何度も改定されて、安定度は以前より高くなりました。
リーマンショック時の派遣切りで特に問題となったのが、日雇派遣です。単発で働ける日雇派遣が、雇用の不安定さを作りました。
現在も労働者派遣法は改正されており、法律遵守での派遣が求められています。
介護派遣は、人材不足の状況から派遣先がなくなることはありませんし、派遣労働者としても法律で守られています。
そのため、派遣切りは怖くないです。
不適切な派遣切りに合わない大手派遣会社を選ぼう
介護職の派遣切りはゼロではありません。
契約期間で終了を迎える場合もありますし、介護施設の派遣目的を終えれば満了で期間を終えます。
こればかりは派遣で働く上で仕方がないことです。
ただし、不適切な派遣切りに関しては派遣会社と派遣先の施設の関係性にもよります。中小の派遣会社だと施設に対して立場の弱い会社も存在します。
コンプライアンス意識の高い大手派遣会社を選び適切に対応してもらいましょう。
大手であれば求人数も多いため、次の派遣候補を複数挙げてくれます。安心して働けるように良い派遣会社を選んでくださいね。